在庫がなかったらしく、注文してから1週間たってようやくレヴィナスの「全体性と無限」が届きました。

 今日は土曜日なのでリラックスモードで読み始めたのですが、最初の文章でいきなりがつん、と頭にキックが入り「おおおお」と内心でうめきを発してしまいました。

 その冒頭の文章はこういうものです。

 

「聡明さとは、精神が真なるものに対して開かれていることである。そうであるなら、聡明さは、戦争の可能性が永続することを見てとることにあるのではないか。戦争状態によって道徳は宙づりにされてしまう。戦争状態になると、永遠なものとされてきた制度や責務からその永遠性がはぎとられ、かくて無条件的な命法すら暫定的に無効となるのである。戦争状態がありうることで、人間の行為のうえにあらかじめその影が投げかけられている。戦争はただたんに、道徳がこうむる試練のうちにーーしかもその最大のそれとしてーー位置を占めているだけではない。戦争によって道徳は嗤うべきものとなってしまう。」

 

 「戦争が起きる可能性はいつだってあるんだよ、それを理解していることが聡明ってことなんだよ。戦争が起きると(普段おまえさんが大事だと思っている)道徳は価値を失わされるどころか笑いものにすらなってしまうんだ。それをよく知っておきなよ。 」

 ということを言われているのかな、と勝手に解釈しました。

 

 ここのところ日本における道徳や倫理の退廃現象はどこから発生したのだろうかと考えていたのですが、現在の安倍内閣の進める戦争法案と同時進行している現象だったのか…とこれを読んで納得がいってしまいました。

 戦争をしかねない国に日本が変貌するにつれて、それを先取りする形で道徳や倫理を無視する勢力が現れているのかもしれません。

 なるほどなるほどそういうことなのか、とひとりで勝手に飲み込んでしまいました。

 

 終戦から70年がたち、日本では肌感覚として「戦争が起こると人間や社会はどうなるのか」を理解している人の数はどんどん減っていっています。

 だからといって戦争が始まればそれは自然と理解できるよ、とのんきに構えているわけにもいきません。

 なので戦争を経験していて、それによってどのようなことが起きるか、そしてそれを乗り越えるためにはどうすればよいのか、を考察している人の言葉に耳を傾けてみたいと思います。

 戦争がはじまりかねない事態になっている今、どのようにそれに対処すべきなのかを考えるよすがとして、この本は的確なものだったのではないか…とまだ数ページしか読んでいないのに感じています。

 「これこそまさに今読むべき本ではないか」と思える本に出会って、ちょっとテンションが上がりました。